お昼休みの決算書講座⑤~連結財務諸表をみてみよう

お昼休みの決算書講座

 

第五回「連結財務諸表をみてみよう」

前回までは個別財務諸表を見てきました。個別財務諸表というのはひとつの企業を対象にした財務諸表をいいます。これに対してグループ企業全体をひとつの企業とみなして作成する財務諸表があります。これが「連結財務諸表」です。「連結財務諸表」というと何やらとても難しいモノと思われがちですが、貸借対照表や損益計算書などのうち一部の連結特有の項目を除けばほぼ同じ形式になっていますので難しく考える必要はありません。あくまでも企業集団の財政状態や経営成績を示すために連結財務諸表が作られるのです。現在、有価証券報告書では「連結財務諸表」をメインとして扱い、「個別財務諸表」はこの後に掲載することとなっています。

○連結財務諸表の作成義務
 現在では上場企業のみならず中堅規模の企業においてもグループ経営を行っている場合が多いようです。ただ、グループ企業があるからといって全ての企業に連結財務諸表の作成義務があるわけではありません。基本的には大会社で有価証券報告書提出会社に連結財務諸表の作成義務があります(会社法444条3項)。この場合、連結財務諸表を作成するのは親会社です。子会社では連結財務諸表を作成しませんが、親会社で必要となる財務データを報告することとなります。また、連結財務諸表作成義務のない企業においても、会計監査人設置会社であれば任意で作成することが出来ます(会社法444条1項)。ただ、上記に該当しない会社においても内部の経営管理資料として連結財務諸表を作成しておくことは有益と考えられます。

○企業グループ全体の実力は連結財務諸表で反映される
 企業グループ全体の財政状態や経営成績をみる場合、必ず連結財務諸表を見てください。なぜならグループ企業の実力は連結財務諸表に反映されるからです。連結財務諸表を作成する場合、一旦グループ企業全ての個別財務諸表を合算します。そこからグループ企業間の債権債務、収益費用を相殺していきます。これにより、例えば親会社から子会社へ販売をおこなっても連結財務諸表では売上(収益)や仕入(費用)は計上されません。つまりはグループ企業外部との取引でない限り収益や費用は計上されないのです。当然ですよね。グループ内で販売したといっても一つの事業体と考えればモノが移動しただけで何ら現金が増えるわけではないのですから。個別財務諸表ではグループ企業への販売であっても売上(収益)として計上されてしまうのでこれだけでは企業の実力を誤って判断してしまう可能性があるのです。ですので、グループ企業全体を把握したい場合には連結財務諸表を使いましょう。

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